2016/03/01

コーチングの実施期間の決め方



















クライアントさんがどのくらいの期間でコーチングを受けると、何ができるようになるのかを、
期間ごとに3パターンに区切り、解説してみたいと思います。

====================
【3ヶ月】
何ができるようになるか:
クライアント様の中で「達成したい目的や課題」が特定されており、
その課題を解決し、解決するプロセスから洞察を得ることができます。
また喫緊で解決すべきビジネス上の問題や人間関係などを解決するためにもご活用いただけます。

基本プロセス:
ヒアリング、課題の抽出、ブレスト(仮設策定)、適切な選択肢の選定、アクションプランの策定、
実施後の効果測定、アクションプランの修正という一連のプロセスを活用します。
(順番や内容は用途に応じて柔軟に変化させます)

検討すべき事柄:
3ヶ月間での実施においては、課題解決、目標達成のスピード感を重要視します。
そのため、クライアント様のスキルレベル、ストレス度合い、モチベーションなどにより
学習スピードが低下した場合、求めている変化まで到達できない可能性がリスクとして挙げられます。
--------------------------------------------------------
【6ヶ月】
3ヶ月で達成できることに加えて何ができるようになるか:
複数の課題や成果指標について取り扱うことが可能になり、
それぞれの学びを通じて自己変容の機会を作ります。
クライアントご自身の思考やコミュニケーションのパターンに気づくこと、
そしてそれが周囲にどのような影響を及ぼすのかという洞察を得ることなどを通じて、
スキルレベルを高めていくことができます。

基本プロセス:
3ヶ月でご説明したプロセスを基本として、このプロセスを反復することで、
クライアント様ご自身が「思考プロセス」を学び、コーチがいない時にも
同様の思考プロセスを当てはめ考えることができるよう促します。

検討すべき事柄:
クライアント様の行動変容を起こすために十分な時間を確保することが可能ですが、
行動変容が実際にどのように成果に結びつくのか、あるいは周囲との関係性にどういった影響を
及ぼすのか、といういわゆる「効果測定」の部分で客観的な評価ができない可能性があります。
--------------------------------------------------------
【12ヶ月】
6ヶ月で達成できることに加えて何ができるようになるか:
ビジネスコーチングで1年の期間がある場合は、より計画的にクライアント様の成長に関わる形で
コーチが介在します。例えば、成果指標の中にコーチングにおける行動変容を盛り込み、
計画的に多面評価を行うといったお取り組みが可能になります。

また、クライアント様の行動変容という意味では、長期的に現れる変化をクライアント様が
客観的に理解し、それを部下や周囲のステークホルダーに向けて論理的に説明することが
できるようになます。
これにより、自分だけではなく、チーム全体の成長の原動力として活躍できるようになります。

基本プロセス:
6ヶ月で達成できることに加えて:
特に7ヶ月目以降では、客観的評価を行えるためのプロセスの導入が必要になります。
例えば、ステークホルダーインタビュー、セルフアセスメント、デザイン思考、チームコーチング、
フィールドリサーチなどを適宜活用し、効果検証を行いながら更に深い洞察を得ます。

検討すべき事柄:
長期間のコーチングでは、クライアント様とコーチの関係がマンネリ化し始めます。
これにより、クライアント様が「コーチが来れば解決する」という依存関係を構築しやすいため、
複数のコーチを活用することや上司部下などの関係者を招いて実践的に学ぶ場を作る必要があります。
====================

いかがでしたでしょうか。
コーチングを採用される際のガイドラインとしてお役に立つことがあれば幸いです。

このエントリーをはてなブックマークに追加